ロンドン・オリンピック 2012

あれ?と思ったら、その日が開会式だった。7月28日(土)。それくらい関心が低かった、始まる前は。あ、なでしこサッカーは別として。
節電、節電コールの上、私が住んでいるところは計画停電まで計画されているのに(現在のところ未実施)なぜこぞって異国の地で行なわれているスポーツ中継をするんだろうって。

それがアナタ、ひとたび幕を開けると、日本人選手の意外な健闘ぶりに前のめりに興味がぐんぐん。単純。けれどただでさえ夏バテなのに、夜更かししてまで放送を見る体力・気力はなく、従って、朝起きると誰かがメダルと取っているという日々が続いた。“果報は寝て待て”か。銀・銅ざくざく、時々金。

新聞もテレビも何はさておき五輪ニュース、職場のお昼休憩でもその話題、ネットを見れば速報が飛び込んでくる、人民を洗脳するのはたやすいことだなぁ。などと自分のことを棚に上げて思ったりする。せめて試合みて、もらい泣きはしないようにしよう。と、思うが、盛り上げられたらどうしよう。


ラジオ観戦


そしてまた、私はラジオでのスポーツ観戦が好き、というのを忘れていた。盲点だった。夜10時とか11時とかにラジオのスイッチを入れると何かしらスポーツ中継をやっている(NHKラジオ)。
柔道やレスリング、体操、バレーボール‥。プロ野球・ナイターのラジオ観戦は習慣化している私だが、それよりも遅い時間に様々なスポーツ放送が流されるというのに意表を突かれ、軽い非日常感。

バドミントン女子ダブルス決勝も午前零時近く開始で、身体は寝る体勢で耳だけ試合に参加。日本の“フジカキ“ペアが中国相手にねばってねばって、結果は銀メダルだったけれど熱戦は伝わってきた。(日本時間8月4日・23時45分〜)

夜は寝たいので、というか頑張ろうとしても寝てしまうので、注目の女子サッカーも激しい追っかけはできず、マイペース応援。なでしこジャパンの選手は“女子”という単語が似合っている気がする。飾らないところがいい。スタジアムやスポーツカフェで男の人たちが熱心に応援している様子も、クラスマッチで同じクラスの女子に声援を送っているように思えてしまう。この先も、こういう良さは失われないでほしいと思う。

準々決勝のブラジル戦は、結果を知った後に録画放送をテレビで観たので余裕の観戦だった。(日本2−0ブラジル 日本時間8月4日 午前1時〜)

準決勝フランス戦。日本時間7日午前1時キックオフ。夜中に目が覚めてラジオのスイッチ入れると、アナウンサーの興奮した実況で、なでしこがリード中だとわかり安心してまた寝る。このゲーム、2対1で勝つには勝ったがフランスの猛攻をしのぐのが大変ではらはらだったと、出勤してからお昼休みに教えてもらった。

決勝アメリカ戦は3日後の日本時間10日午前3時45分キックオフ。4時に目が覚めたので、ラジオのスイッチ・オン。なんと既にアメリカが1点取っている。あ〜これは厳しい、と思い、気づいたらまたそのまま寝てしまっていた。朝起きたら、1対2で米勝利。こうして私の睡眠応援も終わった。

なでしこは堂々の銀メダル。欧米の選手に比べると小柄でありながら、グラウンドの隅から隅まで走り回ってパスを繋いで繋いでゴールまで持っていく。これぞ なでしこの心意気。と、にわかファンは思う。(決勝リーグを有利に戦うため、予選の試合では監督は策士に徹する一幕もあったが)


やっぱりテレビ観戦も


いくらラジオが好きといっても、映像がないと味気ない競技もある。シンクロや新体操。美の競演をとくと拝見、とテレビの前に座ったが、もう大変なことになっていた。人間業とは思えないのだ。

シンクロナイズドスイミング・デュエット・決勝。金のロシア、銀のスペインは、芸術的でもう別次元。水面に出して動かしているのが手なのか足なのか区別がつかなくなるほど。

ロシア組のテーマは「あやつり人形」だったが、本当に高性能百万馬力の人形だったのでは。スペイン組はタンゴのリズムに乗って負けず劣らず。日本だって悪くはなかった。ブルガリア民謡に三味線や笛の音を合わせて雰囲気を出していた。ただ他の国が凄すぎるのだ。(日本ペアは5位)

個人的には4位のカナダ・ペアの演技が好きだった。「道化師」がテーマで、コミカルで独創的な動きが随所にあった。(録画放送 8月7日(火)夜)


で、同じような世界が床の上で繰り広げられていたのが新体操。
新体操・団体・決勝。1グループ5人で、1種目目がボール、2種目がリボンとフープ(輪)の演技らしい。まずボール。初めに出てきたのが、ピンクのコスチュームに身を包んだロシア5人組。ボールを投げ合ったり毬のようについたりしてフォーメーションを変えつつ踊る踊る。バレエと曲芸やサーカスが混然一体となったようで幻惑される。次に登場したイタリアも大人っぽい演技で素晴らしい。で、次に出てきたとこもまた良くて‥。もう目まぐるしくてついていけなくなり、どこがどこだがわからなくなる。

2種目目のリボンとフープになると更に複雑。ゲージツ的だけど、人間の目でどうやって採点するわけ?もう見ているだけでふらふら。投げた輪っかを、跳んでくぐり抜けるという技をどこかのチームがやっていた。ジャンプして開脚し、そのまま輪をくぐる、というシーンがスローモーションで再現され、一体この競技はこの先どうなっていくのか、いや、人類はどこまでいくのか、という気がした。あまりにすご過ぎて。

日本もよかった。フェアリー・ジャパン。7位入賞だった。ボールの演技では、濃いグリーンと白のコスチュームにイエローのボール。きびきびしていてめりはりがあって、みんな可愛くてスタイルもよかった。

金メダルは、またロシア。
後ろでまとめるヘアスタイルも、バレエのようなメイクも、派手な色のコスチュームも、出場している国までも、シンクロと新体操は似ていた。陸か水かの違いはあるが。(録画放送 8月12日(日)夜)


フィナーレ


新体操の強烈さに呆気にとられ、私のオリンピック観戦はめでたく幕を閉じた‥と思ったら、おまけがあった。
閉会式。
放送に気づかず1時間弱しか見られなかったが、鷲掴みにされた。なつかしの英国ロックに。完全版の再放送はないだろうか。とりあえず、CDは発売されるそうで、今度はこちらの余波がまだ続きそう。