ソチ・オリンピック 男子フィギュア

日本と、ロシアのソチとの時差は5時間なんだそうである。

だから現地時間2月13日(木)夜7時だったら、こちらでは14日(金)朝‥というか真夜中0時。
14日(金)夜7時だったら、15日(土)朝‥というより深夜0時。


‥と、男子フィギュアのスケジュールは頭に叩き込まれていた。

テレビで生中継もある。
が、しかし。夜は睡眠の時間。むっくり起き上がれないタチなのだ。

こんな時は。‥そうだ。2年前のロンドン・オリンピックを思い出した。ラジオがあるじゃないか。ベッドの中でスポーツ観戦、得意の睡眠応援法。http://d.hatena.ne.jp/chihiroro77/20120814/1344954318


日本時間2月14日未明。男子ショートプログラム(SP)。
目覚めたら午前4時半。ちょうど中継が終わる時刻。「それでは、ここからはラジオ深夜便をお送りします。」とNHKアナウンサーが告げたところだった。あらら。
でも、その日の朝のワイドショーでは各局、男子フィギュアのオンパレード。特にSP史上最高得点を叩き出した小顔&手足の長い羽生結弦選手の「パリの散歩道」が何度も何度も映されている。エネルギッシュな滑り。


日本時間2月15日未明。私の再チャレンジ。男子フリー。
目覚めたら午前3時前くらい。ラジオをつけたらちょうど町田選手の演技。おぉ、だったら日本人3選手ともリアルタイムで応援できる。



が、しかし。なんで、男子フィギュアなのか? 
大体、ちょっと前まで、日本人の男がバレエなんかの西洋の踊りをするのって見ていて恥ずかしくなかっただろうか?
それが今では、ローザンヌなんとかとかいう権威ある国際的なバレエのコンクールで日本人の男子高校生が優勝してしまう時代である。

フィギュアスケートでいえば、私の場合の分岐点は、4年前のバンクーバー・オリンピックの高橋大輔選手だ。哀れでけなげなピエロを演じたフリーの演技「道」(フェリーニの映画音楽。ニノ・ロータ作曲)。 わけもなく涙が出てきそうになるような。この大会で彼は日本人初の銅メダル。

以来、スケート・シーズンだけの、にわかファンになったのだ。情感あふれる演技と、華麗なステップ。「大ちゃん」などと馴れ馴れしく呼ぶようになった。
(ちなみに、サッカーも国際大会時だけの、にわかファンでもある、私は)



ラジオ中継で、フィギュアの実況は、さすがに目の前に情景が広がるというわけにはいかない。
でも、アナウンサーって動作ひとつひとつ的確に説明していて、すごい技術力だと思う。


高橋選手の出番が近づいてきた。どきどき。
大会前、けがや、SP使用曲ゴーストライター騒動など色々あった。でも、ただただ大輔ワールドを彼らしく演じてほしい、にわかファンの願いはそれだけだ。


演技が始まった。
最初の4回転‥ え〜っと、転倒はしていない。
ビートルズ・メドレー。曲調が次々変わる。
「なにか、楽しみながらスケートをしている、そんな表情です。」というようなアナウンサーの実況。
‥ ‥
終わった。「高橋選手、笑顔です。」


笑顔。


それを聞いて、ほっとした。


そして、最後まで放送を聞いて、羽生選手の金メダルを知り、町田樹は5位。高橋大輔は6位。でもってラジオ消して、また朝まで寝た。


翌日、というか、同じ日の朝だけど、テレビでダイジェスト番組を観る。
高橋大輔の心のこもった滑りと、晴れ晴れとした笑顔に、ほんとにほっとした。



追記:ビートルズ・メドレー‥検索して調べた。忘れないように書いておこうっと。
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