あまちゃん2013 Part2

先週の今日は元日だった。あけおめ&ことよろ。ポストにいそいそ年賀状取りに行ったりして。
先週の昨日は大晦日だった。
先週のおとといは12月30日だった。その前二日は、せっせと年賀状書き‥

たった一週間前のこととは到底信じられない、年末のあの切迫感。そして年が改まり気分も改まって、8日目にもなればもう元通り。毎年恒例。


ダイジェスト版放送 あまちゃん 完全版 DVD-BOX1


だが、2013年の年末、特筆すべきは大晦日前日12月30日(月)。朝、起きたら。
たららららららら てゅ〜りゅ〜りゅ〜りゅ んちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ
たらったったったったったたららら〜♪


テレビからあの曲が。あまちゃんテーマ曲。
あまちゃん祭り”として、ダイジェスト番組が朝8時から夕方6時まで放送されたのだ。
もう見なくていいと思っていた。本編放映中はどっぷりつかっていたし、番組終了後はまさかの“あまロス”患者。でもって、やっとあなたなしで過ごせるようになったんです。今さらダイジェストって。
しかし、あの出だしブラスのメロディが流れてきた途端、一瞬で戻った。毎日の放送がエネルギー源となっていた春から夏の日々にプレイバック。

あまちゃん人気は様々に分析されているけれど、あのテーマ曲も勝因の一つだと、私も思う。

暮れにちょうど遊びに来ていた小学生の甥っ子たちが、テレビから流れてきた音楽に合わせて、“たらったったったったった‥”と自然に歌っていた。ドラマは見ていなかったらしいけど。ちびっ子たちがあのメロディを歌うとまた面白いのだ(オバばか発言ご容赦を)。


紅白出演      あまちゃん 完全版 DVD-BOX3<完>


翌大晦日夜は、テレビの前から離れられなくなった。紅白歌合戦に企画コーナー「あまちゃん」特別編があるという情報が。何時頃かわからないのでテレビの前でスタンバイ。近年、紅白はラジオで聴いてすませていたのだけれど。

企画コーナーというより、かなり本格的な“特別編”だった。番組初めの方に“北三陸駅から中継“という設定で“スナック梨明日”にてドラマのレギュラーメンバーたちの“コント”。9時半頃にはその続きが15分くらい。遂に主人公のアキとユイたちが、“紅白”で“潮騒のメモリー”を歌う運びとなる。めでたい♪ でも、見てない人には何のこっちゃさっぱりわからないはず。視聴率が20%くらいだったらしいから、8割の人にはワケわからないことになる。しかし、20%側の人間である私は大喜び。一方、いつまでも、あまちゃんあまちゃんって七光り‥これは80%側であるウチの親たちのつぶやき。ずっとNHKがあまちゃん人気にあやかっていると言いたいらしいのだが、“七光り”って、そんな。


紅白特別編での前半・後半のコントを見つつ、「あまちゃん」は小さなコントが繋がって物語が紡がれていったんだなぁ、という思いを新たにした。これについても色んな人が色んなところで指摘していていることではありますが。

クドカン・ドラマは、くすっとおかしい小ネタをパラパラ散りばめて、笑っているうちに、あら、こんなところに来ました、ここは核心部分?という展開でドキっとしたり、涙出そうになったり、躍動感あるそういう魅力。今までそんなところにも惹かれていたが、好き嫌いがはっきり分かれるのも彼の作品の特徴だった。だがら朝ドラの枠内で多くの人に愛される作品が生まれるとはちょっと意外だったし、でもファンとしては嬉しい限り。


ところで「あまちゃん」は私が見てきたクドカン・ドラマで初、主人公が女の子。

ドラマ放送の中でこんな一幕があった。
物語前半の「北三陸編」で高校生のアキ(能年玲奈)と親友ユイ(橋本愛)、一学年上の種市先輩(福士蒼汰)の三角関係という、青春もの定番の事態が発生したのだ。これをどう収めるのか。「クドカン女の子同士のこと(ややこしいこと)、書けるとは思わなかったね〜」やはりクドカン・ファンの友人と私はそんなことを話したりした。ファンというものは、ファンと言いつつも、こんな“上から目線”の物言いをしたりするのだ。


告白したアキは、種市先輩に振られる。ユイのことが好きな彼は「ズブンの気持ちに嘘つけねぇっす。」
逆上したアキは、自転車で海岸沿いの道路を疾走し、しまいには海にまっさかさま。風邪をひいて寝込んでしまう。
たった一人の人に振られたせいで、全世界の全てを失ってしまう浅はかで純粋な季節が眩しかった。それは多くの大人がとうの昔に忘れてしまいもう戻れない一回限りの季節だと思うのだ。天然で無色透明の能年玲奈だからこそ、残酷な直球を投げ返されても、跳ね返して逆に輝きを増して胸に迫ってきたのだと思う。

女の子同士は難しい。ウィキッド(ミュージカル)の親友同士もそうだった。
アキとユイは性格が全く違う。浅田真央キム・ヨナと同じくらい違う。
でもアキとユイは気の合った友だち同士。


この一件が何とか収まった後は、通過儀礼を終えたような気持ちになって物語後半を楽しんだ。ダイジェストと紅白特別編を見てそんなことを思い出した。


そして迎えた特別編フィナーレ。
本編では東京行きがかなわなかったユイも上京して、二人で紅白出場。えがったね〜。私はすっかり、オバばかのようになっていた。

紅白特別編ラストは、実は第2の主人公だったのではとも思われる鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の透き通った歌声がNHKホールいっぱいに響いて、心洗われる思いが年の終わりに本当にふさわしかった。私は“オバばか”であり、“あまばか”でもあるのかも。