ホークス 〜ああ、どういて、どういて

“おめでとう。CS(クライマックス・シリーズ)突破。7年間長かった。でも「7」という数字は縁起いいし〜etc.”
…こう書くつもりだった。いえ、パラレルワールドのあっち側の私はそう書いてるかもしれない。あっち側でホークスが一昨日あたり、粘って逆転許さず勝ってたとしたら。


“ホークスが前回1位通過した2004年、2005年はアドバンテージ1勝もなかった。今年はその1勝があり、それがやはり大きくものをいったかもしれない”
と、パラレル私は続ける。
“でも、このハラハラは何なんだろう。一旦優勝しているのにどうしてもう一度試合をやり直さなければいけないんだろう”
…等々、ホークスは勝ったけれども、やはりクライマックスシリーズには反対、と全世界に宣言するつもりだった。
どんでん返しされたから、ではなく、理不尽だからという理由で反対だと。


しかし、こっち側の現実世界はなかなか思い通りにいかない。
シナリオ通りにいかないなら、どこぞの検事のようにフロッピーを書き替え押し通してしまえ。そんな手も使えず。



やっぱり、また彼が戻って来たんでしょうか、福岡ヤフードームの屋根裏に。オペラ座の怪人が。(ジャ〜ン、タララララ〜と、ここで「オペラ座の怪人」の音楽が入る)
オリンピックには魔物が棲んでいる、と言われるように、CSのドームには何かが棲んでいるに違いない。


ソフトバンク有利の下馬評と積年の悔しさがチームにどう作用したのか。

ここはひとつ、複雑な社会情勢のわかりやすい解説で人気の池上彰さんあたりに、何が起こったのかわかりやすぅく説明してほしい。「そうだったのか!パ・リーグCS」



観戦記録

第1戦 10月14日(木) ソフトバンク1−3ロッテ 杉内vs.成瀬のエース対決で敗れる。5,6年前の苦い思いがよみがえる。不吉。
第2戦 10月15日(金) ソ3ー1ロ 和田投手が前夜の雪辱。アドバンテージ入れて2勝。光がさす。
第3戦 10月16日(土) ソ1ー0ロ 
デーゲーム。勤務だったので仕事が終わってから勝ちを知るという、ドキドキなしの楽勝パターンで王手。V秒読みか。
第4戦 10月17日(日) ソ2ー4ロ 
デーゲーム。今日にも決まるかもという期待感で小型ラジオを携え出勤。休憩時間にラジオ観戦するも………。
第5戦 10月18日(月) ソ2−5ロ ナイター。
夕方は春から習い始めた韓国語教室へ。休んだらますますチンプンカンプンなので。小型ラジオ持参。帰りの地下鉄で聞こうとしたら、中継入らず。地下では無理でした。「ワンセグ、見たいっすね」背後で勤め帰りのサラリーマンたちの話声がする。私も見たいっす。地上に上がった帰り道で、どんどん劣勢になる様を聞いてしまう。

第6戦 10月19日(火) ソ0−7ロ ………

ソフトバンクホークス3勝4敗。クライマックスシリーズ、またも無念の敗退。



変に熱くなりそうなのでテレビはなるべく観ないようにしていたが、あまりのことに時々チラ見すると。
クリーンアップだけというわけでなく、全員が元気なく打てない。
あんな川崎は初めて見た。いつもゴムまりみたいなのに。
観客席は赤、赤、赤。カチドキレッドのレプリカ・ユニフォームで埋め尽くされ唐辛子色。火のような応援。


「なんで、なんで」「まさか、まさかの」「どういて、どういて(土佐弁=どうして)」
街かどで、居酒屋で、お茶の間で、メールでネットで「?」「?」「?!」「?!」が飛び交う。




長距離ランナーやマラソンランナーが、必ずしも短距離走が得意なわけではない。
レギュラーシーズンとポストシーズンは、別種目だ。
こっち側の私はそういう結論に達した。


ラソンで決めた順位を、100m走で決め直すなら、“プロ野球トライアスロン式”とかなんとか改名してほしい。



“おめでとう。CS(クライマックス・シリーズ)突破。8年間長かった。でも「八」という数字は末広がりで縁起いいし〜etc.…”

“おめでとう。CS(クライマックス・シリーズ)突破。9年間長かった。「9」という数字は“クルシミ”の“9”。でもその「苦しみ」を乗り越えて〜etc.…”

近未来SF。語呂合わせの準備はOK。