アーティストの音楽的ルーツに触れた一週間
”一週間を終えて”…と言ったものの、もう先々週のことになりました。
誰かの部屋の本棚を眺めるのは、その人の頭のなかを覗くようなものだ。
同様に、誰かの部屋、または車の中のCDラックをチェックするのは、その人の耳の記憶を辿るよう。
(CDに限らず、古くはレコード、カセット、然り。ところで今思い出したけど、MDって…。短命でした。)
ある人の音楽コレクションを垣間見る(垣間聞く?)のは、それだけその人のパーソナルな部分に触れるような。
NHK-FMの「夜のプレイリスト」(深夜0時~)
各界の様々な人がお気に入りのアルバムを一日一枚、五夜連続で紹介する番組。
先月5月最終週は、あっきーこと中川晃教の登場でした。(なので、その週は私にしては珍しく、毎日ブログ更新。通常、月1ペース…)
毎晩、「こんばんは。シンガーソングライター、俳優の中川晃教です。」という自己紹介で始まった番組。
アーティストの、どんな音楽的バックボーンを知ることができるのか、ちょっとどきどきした。
そして、全五夜終了後の感想は、「あなたの脈拍、聴かせていただきました♪」
第一夜:ホイットニー・ヒューストン「I’M YOUR BABY TONIGHT」('90)
第二夜:キース・ジャレット「ケルン・コンサート」('75)
第三夜:ローリン・ヒル「The Miseducation of Lauryn Hill」('98)
第四夜:テヴィン・キャンベル「テヴィン・キャンベル」('97)
第五夜:チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー「Beyond The Missouri Sky」('97)
~( )内のアルバム発表の年は個人的にネットで調べたもの
大まかなジャンルからいうと、R&B3枚(女性ヴォーカル2枚、男性ヴォーカル1枚)、ジャズ2枚。
マイケルかプリンスが来るのでは、という私の予想は外れて、毎晩、深夜にへ~、へ~と呟いていた。
R&B3枚(”R&B”と一括りにしてしまうのは、大雑把過ぎるかも、広い意味でのR&B…ということで)。
ちょっと懐かしめのビートが心地よかった。ここから彼のデビュー曲(作詞・作曲・歌)の「I WILL GET YOUR KISS」へ繋がるのかなぁという印象。
しかし、第四夜の書き込みの繰り返しになるけど、テヴィン・キャンベル。私にとっては初めまして、だったけど、初めてとは思えなかった。歌声、ブレス、高音の伸び。あっきーに似てる。遠縁ですか?従兄弟ですか?
ジャズ2枚。キース・ジャレットの透徹なピアノの音色。チャーリー・ヘイデン&パット・メセニーの静謐な世界。
中川晃教の音楽的な血に流れるリズム、息遣い、脈拍、静と動…を体感できた5日間だった。
思ってみれば、そんな血が流れていてそんな歌い方をするあっきーを、このラジオ番組で紹介された音楽とはちょっと趣の違う、”ミュージカル”というジャンルの舞台で、長年観てきたのだった。
彼はいわゆるミュージカル的な歌唱法ではない。(クラシック風な歌い方ではない。)それでもミュージカルの舞台にばっちりはまっているのは何故?舞台全体の絶妙なバランスとか、良い化学反応が起きているとか?今まで観てきた舞台のことを改めて思い返したりした。
音楽的に多様な要素が融合されている舞台を観てきたのかもしれない。
彼の豊かで深い音楽コレクションに触れて、これからどんな方向にいくんだろう、と可能性も感じさせてくれた。