コンドルズ ソロダブルビル 平原慎太郎×スズキ拓朗

1ヵ月と一週間ほど前に出かけたライブ。
コンテンポラリー・ダンス”“コンドルズのメンバー”‥ということだけで、あまり具体的なイメージはわからないまま、面白そう‥と観に行ったら、う〜ん、本当に面白かった♪



『コンドルズ ソロダブルビル 平原慎太郎×スズキ拓朗』

日時:2015年5月14日(木)19:30〜
会場:イムズホール



学ランに身をつつみ踊る大人の男子集団“コンドルズ”のライブには、ほぼ毎年(つまり毎回)出向いている私。‥と友人たち。
今回は、そのうちのメンバー二人のソロ・ライブだという。
コンドルズの中でも、キレのあるダンスで目立っている二人。期待。

前半がスズキ拓朗のダンスで、後半が平原慎太郎だった。それぞれ40分ぐらいずつだったかな。


スズキ拓朗ソロダンス作品 「ハラホレヒレハレ」 構成・振付・出演 スズキ拓朗


〜暴走する童子、野放し〜
ステージ左側に白いブロックのようなものが積み重なっている(後からブロックではなくトイレットペーパーだと判明)。舞台装置はそれだけ。

細身の拓朗くんが、頭に白い三角のアレ‥ユーレイの頭にあるアレ‥をつけて、白い着流しをまとって登場。

「オバケになるには?」そう言葉を発して、子どものように自由に踊る。
途中で、背後のスクリーンに“へのへのもへじ”や、“棒が一本あったとさ”などの、絵描き歌を描きまくるシーンもあり、不気味ながら楽しくもある妙な空気。

クライマックスは、トイレットペーパーを利用した、連獅子のようなダイナミックな舞い(?)

向こう見ずな童が、オバケの世界を爪先立って覗き見しているのを、奔放に踊って表現したらこうなるのかな、と思った。
特に筋はないけれど、色々イメージが湧くパフォーマンスだった。



平原慎太郎ソロダンス作品 「手のひら」 構成・振付・出演 平原慎太郎


因数分解された身体が なめらかに絶え間なく動き続ける〜
前半のダンスが終わると、そのまま薄暗いステージ上でざわざわさわさわと“模様替え”が行われていた。

今度は、ステージの中ほどに長いベンチがある。舞台装置はそれだけ。

黒いパンツ、白いワイシャツという至ってノーマルな姿の平原さんが「こんにちは〜」と素に近いかんじでフレンドリーに登場。“温かくて厳しいところもある福岡”を表現するダンスなど披露、軽妙なMCで客席をリラックスさせつつライブに引き込んでいく。

「どれくらい、かかりましたか?」東京から福岡まで来るのに自分はどれくらいの時間がかかったかとか、客席に向かって、どれくらいかかったかなど尋ね出したあたりから変調の兆しがあり、笑いながら観ていたのが、何か始まりそうと自然に態勢を整え直した。

トークは尻切れトンボとなり、ダンスが繰り広げられるのだが、これが、柔軟な肢体で細かく繊細に踊ったり、ダイナミックに踊ったり、緩急自在。
どこかの国の、どこかの言葉の音楽が流れている。


「どれくらい、かかりましたか?」と時々問いかけの言葉も発する。「私は34年かかりました。」と自分で答えたりも。


手足をさぁ〜っと伸ばすのを見るだけで、何で心地よく感じるのか。これが一緒に観に行った友人たちとの共通のギモンであり感想。

抽象的、前衛的と分類されるであろうコンテンポラリーダンスに、気持ちが解きほぐされるとは思わなかった。



〜〜終演後は、ロビーに本人たちが登場。さっきまで取り憑かれたように舞っていたとは思えない、とっても気さくな様子で撮影に応じたりお話ししたり。


 スズキ拓朗氏

 平原慎太郎氏




観客との交流の時間がたっぷりととられて、ライブの余韻は温かい空気に包まれた。
そして、コンドルズの勝山さんの姿もロビーで発見したのだった。(スタッフとして参加していた様子。そういえば、前半後半の“模様替え”の時、似ている人がステージ上で作業していた)