山笠が終わり夏が来る。
これは福岡での、体感的な暦。大体、毎年そう。
博多祇園山笠のフィナーレである“追い山”が、7月15日早朝に行われ、そして夏を迎える‥ハズが。今年は、もう7月初め頃から蝉が鳴き始めよったもんね。早い。そして、もう、もう、それからずっと。言っても詮ないことですが。‥暑い。
山笠といえば20日ほど前のこと。
偶然、上川端通りで、ヤァァァァ〜!という掛け声とともにスター・ウォーズが走り出すのを目撃した。
櫛田神社は、博多の総鎮守。
上川端通は自動車道路からお櫛田さん(櫛田神社)まで続くアーケードの商店街。
ここに山笠の期間は飾り山笠がある。
それは、“走る飾り山笠”と言われているもの(八番山笠)。
博多の山笠には、舁き山笠(かきやま)と飾り山笠(かざりやま)の二種類あり、“舁き山笠”が男衆がオイサオイサ担ぐ(博多では「舁く」といいますが)お神輿みたいなもので、“飾り山笠”は文字通り飾るだけのもの。山鉾みたいな風貌です。
ただ、その14ある、飾るだけの“飾り山笠”だが、八番山笠だけは、担いで走って動かされることになっている。(あんなに重そうなものを。何トンでしょう‥?)
飾り山笠の飾りつけは、表と裏側(見送り)があり、
今年の八番山笠は、表が「決戦倶利伽羅峠」、見送りが「スター・ウォーズ」で注目を集めていた。
決戦倶利伽羅峠
漏れ聞いたところによると、標題に「スター・ウォーズ」なんて洋モノを扱うことに関して、内部で議論もあったそうだけど、結局、新しいものも取り入れて、そして話題にもなっていた。
で、上川端通界隈をうろつきつつ、ふと見ると、スター・ウォーズの飾り山笠の背丈がさっきより縮んでいた。
何か始まりそうな気配。
締め込み姿の男衆たちが、徐々に集まり、どうやら舁く準備を始めているらしい。でも、談笑したりなんかして、ダイジョウブ?
私も周りの見物客に混ざり、待つこと十分くらい。
「三、二、一‥ヤァァァァ〜!」
おいさ!おいさ!おいさ!‥
いきなり本気を出した男衆たちが、飾り山笠を舁く。
倶利伽羅峠とスター・ウォーズは表裏一体となり、アーケード内を走った。そして方向転換をして、道路に出た。
そこで、山笠はしばらく佇んでいた。
そして、にょき。にょき。にょき。
アーケードの屋根のない青空の下で、飾り山笠はてっぺんの部分から、棒状のものなんかを、ゆっくりひとつずつ伸ばしていく。
昔は、舁き山笠も、もっと大きかったのが、明治時代に電線の影響で高さを低くしたとか。(「おっしょいー博多祇園山笠まるわかりガイドー」より)
現代では、しゃき〜ん、にょき、にょき‥と背丈を調節しているとは。
この日は「追い山ならし」といって、7月15日の追い山本番のリハーサルの日だった。追い山とは、いくつもの舁き山笠が、決められたコースを走ってタイムを競うもの。
私が偶然遭遇したのは、八番山笠が追い山ならしのために、櫛田神社に向かうところだったよう。(山笠は櫛田神社の奉納行事。)
本来の背の高さに戻った飾り山笠は、お櫛田さんへゆっくり動いていった。
その間、ダース・ベイダーたちはず〜っと同じポーズだった。
〜〜追記
スター・ウォーズ通の友人より指摘あり。
飾り山笠の“黒い人”はダース・ベイダーではないそうです。
“カイロ・レン”という人(?)でベイダー卿の孫にあたるそう。
お孫さん、いらっしゃったのね、ベイダーさん。
夏休みには、孫を連れて海や山に行ったりしたのでしょうか、ベイダーさん‥ ‥なわけないけど、時節柄、妙な妄想が浮かんでしまいました。