コンドルズ ~GIZANT STEPS~

          

 

『GIZANT STEPS』 コンドルズ福岡新始動公演2022

 

 

日時:2022年9月3日(土)18時~

会場:西鉄ホール

構成・演出・振付:近藤良平

 

~男子校の文化祭は終わらない~

 

久しぶり❕ お馴染みコンドルズ❕

 

といっても。去年、福岡でも公演自体はあるにはあったんだけど。チケットまで買っていたけれど。直前くらいに"コロナ警報”かなんかが出てしまい、公演は行われるけれど、鑑賞を見送る人には払い戻しに応じるという主催者側の対応が発表された。

悩みに悩み、迷いに迷った挙句、泣く泣く…キャンセル(&払い戻し)。友人たちも。

(福岡ではイムズホールでの最後の公演だっただけに、返す返すも残念。なんでイムズビルがなくなってしまったのか…今でも私には謎です)

 

なので、私にとっては3年ぶりのコンドルズ。正確に言うと2年8か月ぶり。

というか、パンデミック以降、ホールで何かを観るということ自体、2度目。(6月に落語を観に?聴きに?行ったんだった。「林家はな平 真打昇進 福岡披露公演」同じ西鉄ホールで。福岡市出身の噺家さんです☆)

 

久しぶりのダンス公演の鑑賞。すっかり変容してしまった世の中にあって、以前楽しいと思っていたものを、前と同じように楽しめるかどうか…そんな思いが意識と無意識の間に薄く影を落としていたのですが。

杞憂でした。

 

学ランたちのダンスは変わらぬ躍動感。

…そして、ギャグや人形劇(「スナック一歩一歩」)の、安定のくだらなさっぷり。

 

今回印象に残ったのは、青と黄色の色使いがされた場面。

長い布を使った静かな踊りのパートがあった。踊り手は10人余りだったか?

ステージの端から端までくらいの長さの青い布と黄色の布。

二色の布が波のように揺れて、ダンサーたちが滑らかに舞う。

青と黄色からウクライナ国旗を連想した。平和への切々とした願いを感じ、ぐっときた。

ほかにも、大勢のダンサーたちが、半分は青いTシャツ、もう半分は黄色いTシャツを着て登場したパートもあった。

 

声高に叫ぶのではなく、コンドルズらしさはそのままにメッセージを発信しているように私には思えて、胸に響いた。

 

主宰の近藤さんによると、福岡での公演は21回目だそう(公演中、ギターの弾き語りで話された)。公演頻度はほぼ年に1回。私は、初期から観ている気がするけど、そんなに長い年月が、と遠い目になる。が、ピンとこない。

 

ラジオから流れてくるような洋楽…(グリーンデイとかオアシスとかちょっと懐かしめの曲が定番)に合わせて、学ラン集団がかっこよく踊る。拍のとり方が、なぜかわからないけど親しみやすく、自分にも踊れそうと思わせてしまう。なので、コンドルズを観た日の夜は、いつか彼らのごとく踊れるように体を鍛えようと思って、寝る前に腹筋運動をする。そして夜中に足がつって目が覚めるってどうして?腹筋は三日坊主。いや、二日坊主の体たらく。

 

これを毎年毎年、繰り返してきたのか、と再び遠い目。

でも、それだけのエネルギーをいつもステージ上から放っていて、観客は楽しみつつも触発されている、という裏付けではないでしょうか、私の腹筋運動は。ん?そうなのかな?

 

今年の福岡公演では、出だしにオープニングアクトとして、地元の劇団「万能グローブ ガラパゴスダイナモス」(通称:ガラパ)と、福岡出身のコンドルズのメンバー・ぎたろーとのコントが繰り広げられた。そういうオープニングだとは知らなかったので正直初めは戸惑ったが、ステージいっぱいの出演者が地響きをたてて一斉に踊る場面は勢いがあった。

 

そして、例年だと、公演終了後、広い物販コーナーに、メンバーたちが自らグッズを販売していたが、今回はそれはなかった。物販コーナーもなかった。ホールが替わったせいか、それともコロナ対策か。

是非とも復活させてほしい。気さくなメンバーたちとの距離の近さ。

あの”模擬店”っぽいコーナーは、「男子校の文化祭」風な祝祭空間を仕上げる最後のピースだったんだ、と今回気づいた。