2週間前の『五右衛門vs轟天』

今日もとっても蒸し暑かった。
梅雨明けはいつになるんでしょう。(もう明けている気が‥)


『五右衛門vs轟天 
2015年劇団☆新感線35周年 オールスターチャンピオンまつり

作:中島かずき 潤色・演出:いのうえひでのり
作詞:森 雪之丞 音楽:岡崎 司
振付:川崎悦子(BEATNIK STUDIO)
美術:池田ともゆき

出演:古田新太橋本じゅん松雪泰子池田成志賀来賢人、高田聖子、粟根まこと、ほか

日時:2015年7月13日(月)13時〜
場所:キャナルシティ劇場




〜初のライブ観劇・・劇団☆新感線



ゲキシネではいくつかの作品を観たことがあったが、劇団☆新感線を生の舞台で観たのは初めてだった。ゲキシネとは、録画した舞台作品を映画館で上映し鑑賞するというもの。


今まで、映画館でも充分楽しんでいたのが、ライブの舞台はさすがダイナミック。大掛かりな装置、奇想天外なストーリー、お下劣でギャグも絶え間なくパワー全開。俳優たちが生き生きしていた。


お話の冒頭部分は現代。
インターポール(国際刑事警察機構)は、日々“悪”と戦っているのだが、暗躍する“悪”(?)のDNAが石川五右衛門古田新太)にあることを突き止め、彼を退治すべく、忍者の血をひく格闘家の剣轟天橋本じゅん)が、タイムマシンで昔の日本に送られる。

時を遡り辿りついた村は、なぜかフランスの貴族婦人、マローネ・ド・アバンギャルド(高田聖子)が仕切っていたりして、五右衛門と轟天の戦いにマローネが一枚かんできて、支離滅裂な対決、ひとひねりも二ひねりもある筋‥。


古田新太橋本じゅん、高田聖子の看板俳優の個性的な演技、暴れっぷりは堂に入っていて息もぴったり。下らなさも徹底していて、よくそこまで、、と思いつつ笑ってしまう(‥徹底した下らなさは全体を通してのことでもあるけど)。

ドタバタのおかしさに対して、からくり戯衛門役の粟根まことは、妙〜なことを真面目〜に演じて、とぼけたおかしさだ。


客演組では、まず、忍者・ばってん不知火を演じた池田成志。ビジュアル系バンドのような黒いコスチュームでヘンな味わいを出していた。彼があんな役をするのを初めて見た。
胸から腰のあたりに赤い「×印」のものをつけていて、それを時々取りはずして手に持ったりするのだが、マジックテープで着脱式にしているのだと思う、取りはずす時にペリペリペリと音がしていた。


驚いたのは賀来賢人。インターポールのメンバーで、轟天と一緒に過去にやって来た人物、アンドリュー宝田。カールした金髪で、空色のスーツを身にまとい、三枚目としてはじけていた。周りに負けていなかった。身のこなしも軽く長い手足で側転も披露。この人、何者?と思った。


謎の美女・真砂のお竜は松雪泰子。殺陣もきまっていた。着物姿から途中コスチュームが変わるところがあったが、スタイルのよさが抜群だった。


音楽はヘビーメタルがメイン。“新感線”お馴染みの歌手2名がシャウト。高音がよく伸びる。
舞台の中央に大階段があるのだが、階段の左右は(2階席からははっきりわからなかったが)薄い網状のものが張られていたかんじ。その向こう側で生バンドが演奏していた。


観たのは月曜の昼間だったが、満席だった。全体的にブラックユーモアが散りばめられてはいるが深刻なものではなく、ギャグに受けているうちにフィナーレを迎えていた。

今回は、“いのうえ歌舞伎”とも呼ばれる時代物ではなく、“ネタもの”と言われる部類(だと思う)。
それでいて恐るべき疾走感。


劇団☆新感線35周年 オールスターチャンピオンまつり”と銘打たれていて、主な登場人物は、過去の作品での人気のキャラクターだったらしい。でも以前のことを知らなくても充分笑える。


大阪公演1ヶ月のあとの福岡公演、このあと東京公演が続く。