2014年みたものリスト〜ドラマ篇

軍師官兵衛‥NHK大河ドラマ
軍師官兵衛 完全版 第参集 [DVD] 官兵衛が大河ドラマに決まったのはいつ頃だっただろう、決定以来、福岡には官兵衛ご当地旋風(?)が吹き荒れた。官兵衛、官兵衛、官兵衛。関連イベントが催されたり、地下鉄の駅に生涯を記した案内文ができたり、お菓子屋さんの前に赤いお椀をひっくり返したような兜の模型が置かれていたり。おそらく、姫路や大分・中津でも旋風が吹いていたと思われる。
それでもって大河ドラマ全50話中、福岡が出てきたのは最終回のわずか2〜3分。福岡城で、黒田長政(官兵衛の息子)に男の子が生まれたというシーン、それだけ。


だけど私は、ドラマ自体、一年間じっくり面白く観た。
奇をてらわず手堅く作られていて、特に本能寺の変中国大返しあたりは、一刻一刻局面が変化していく様がスリリングだった。
視聴率は、全体では16%を下回るくらいだったが、北部九州では20%だったらしい。北部九州はご当地・愛が強いのか。


今回のドラマで意外な収穫は、官兵衛を演じる岡田准一のキュートなおデコと、黒田長政を演じる松坂桃李が今風の‘イケメン’なだけでなく演技がうまかったこと。
岡田・官兵衛は、青年期は一本気、有岡城の土牢に一年間幽閉され岩窟王となり、髭をたくわえた壮年期は岡田ファンファン風の貫録、出家して如水となると頭を丸めた風貌でますます貫録が出て、「木更津キャッツアイ」は何年前だったっけ‥?と遠い目になった。

息子役の松坂桃李と年が10も離れていないのに、親子役で大丈夫かと思ったけど、偉大で恐い親父と、それを乗り越えようとする長男、自然な親子だった。


松坂桃李の長政は、父や周囲に認められたくて功を成そうと上滑りだった青年期を経て、荒波にもまれ、狡さや策を廻らす知恵も身につけていく変貌が目を引いた。
秀吉の非情な命令で、家臣を成敗しなければならなかった時、長政の顔が青ざめていて、おぉ〜と思った。


「天下太平のため」「戦のない世の中に」折々によく官兵衛はそう口にしていたし、秀吉や竹中半兵衛、家康も時たま言っていたような‥(うろ覚え)。だが、実際、戦国大名の間にそういう理念があったかどうかは「?」
今の時代に茶の間に向けて放送するドラマとして戦国時代を取りあげる時、そのあたりのバランスが難しいのかも。


花子とアン
連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド) '14.4月〜9月NHK連続ドラマ。
赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子の半生を描いたもの。赤毛のアン・シリーズは中学校の時に大好きで全作読んだ(筋は大まかなところしか覚えていないのだけど)。

花子役は吉高由里子。花子の“腹心の友”葉山蓮子役は仲間由紀恵。蓮子のモデルは柳原白蓮
ドラマは様々な脚色がされているとはいえ、村岡花子柳原白蓮があんなに親しかったとは。二人に接点があることさえ知らなかった。

番組は好評で、『あまちゃん』〜『ごちそうさん』と続いた高視聴率の波を更に上回ったとか。
脚本、中園ミホ
ナレーションは美輪明宏。毎回エンディングの「ごきげんよう、さようなら」の声が強烈な印象を残した。


一部の、そして多数の女性視聴者の注目を集めていたのが、花子の幼馴染みの朝市(窪田正孝)。幼い頃から花子のことが好きで、でもそれを伝えられず、それでもずっと彼女を思い続け、村岡さんと花子の結婚さえも応援する。けなげ過ぎる、一途過ぎる、小顔で好青年の朝市。
ヒロインを愛しつつ見守りつつ、自分のことは二の次で彼女を支え続ける‥女性脚本家ならではの人物だと思った。もう何年前になるだろう、大河ドラマ功名が辻』の六平太(香川照之)や、韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のジョンホさま(チ・ジニ)なんかを思い出した。女性側のファンタジーの産物か。


劇中の音楽はバグパイプの音色が明るくて、ほかにも多分色々ケルトの楽器が使われているかんじで、好きだった。(音楽:梶浦由紀)


○太陽と月を抱く月
太陽を抱く月 BOX1+2 12枚組み(完全版)日本語吹替・字幕 [並行輸入品] '14.7月〜11月 夜11時〜NHK総合
前年にNHK-BSで放送されていた韓国ドラマ。朝鮮王朝の、ある架空の時代。王の初恋&婚礼が、宮廷内の権力争い&陰謀により引き裂かれる。そこには人の命を奪ってしまうほどの威力を持つ呪術の力も関与していた‥ 韓国歴史ドラマお約束の権力抗争、プラス三角関係が2つくらい、その上呪術まで登場して、毎週かぶりつきで視聴。

ヒロイン、ホ・ヨヌ役のハン・ガインのびっくり顔がキューピーちゃんのようで可愛いらしかった。


ルーズヴェルト・ゲーム
ルーズヴェルト・ゲーム オリジナル・サウンドトラック '14.4月〜6月 夜9時〜TBS日曜劇場
半沢直樹」と同じく池井戸潤・原作のドラマ。「半沢直樹」は見逃していたので、その悔しさもあり(?)初めはこのドラマも見ていなかったのだが、野球が絡んでいるという噂を聞いて途中から見始めた。

中堅精密機器メーカー・青島製作所の経営を建て直すため奔走する社長(唐沢寿明)やその周辺の社内・業界内のつばぜり合いと、廃部寸前の野球部の奮闘が描かれている。

なので番組の半分は野球シーン。再起を期す投手・沖原役で工藤阿須加(工藤公康・現ソフトバンクホークス監督の長男)が出演。
青島の野球部監督役は、癖がある人だと思ったら手塚とおるだった。監督は全データをパソコンで管理。対戦チームを完全分析し、それに基づいて作戦をたてる。シナリオがあるとはいえ、データ通りに相手が攻めてくるのが面白かった。試合のシーンは球場に満員の観客がいて、なかなかの臨場感。ピンチになると皆で肩を組んで「あおしま〜、あおしま〜♪」と社歌を歌ったりするのだが、そこのところ少し、総務部長&野球部長役の石丸幹二さんソロお願いします、と言ってみたくもなり。

ライバル会社の社長役、ぎょろ目でこわい人は立川談春だった。


ごめんね青春!
TBS系 日曜劇場「ごめんね青春! 」オリジナル・サウンドトラック '14.10月〜12月 夜9時〜TBS日曜劇場
官藤官九郎脚本の青春ドラマ。クドカン・ドラマは個性的な俳優たちがそれぞれにハジけてくれたら、それでもう楽しい。今回、私としては火事のエピソードが今一つ腑に落ちなかったものの、あの面々のハジけっぷりに呆気にとられた。高校生たちもよかったけど、あのオトナたちはどうでしょう、一体何者〜?!えなりかずきの壁ドン、アルコール呑んでいないのに酔っぱらうシスター・斎藤由貴、そして昔のマドンナ先生時代から年を経て“ドンマイ先生”になった養護教諭役の坂井真紀のハイテンションかつ脱力の迷走ぶりは、クセになる面白さ・可笑し可愛さ。‥ ‥ etc.
主演のヘイちゃん先生・錦戸亮は板書の字がきれい。とても自然な演技だった。蜂矢先生・満島ひかりはいつも大声を上げていながら、心が少しずつ原先生(ヘイちゃん先生)に傾いていくのが見ている方にじわ〜っと伝わって来て、上手いなぁと思った。


〜こうやって振り返ってみて、ドラマはNHKと旧・東芝日曜劇場しか観ていないことが判明したのでした。